中條公報文化院長コラム

令和2年9月2日

中條公報文化院長着任挨拶

公報文化院長の中條です。私は2004年から2007年まで3年間、副院長として勤務しており、2回目の文化院勤務になります。1990年代の在外研修(留学)を含めると3回目の韓国生活です。文化院の建物は変わりませんが韓国の街並みは随分変わりました。

今回はコロナウイルスのため国内外で人と人との交流が大きく制約されている中での着任になりました。日本においても韓国においてもウイルスの脅威が大きな圧力となって社会活動を抑圧しています。経済的にも苦しく、精神的にもストレスが溜まります。

私は、こういう時こそ、文化の力が大切だと考えています。文化の核心は「体験の共有」です。音楽、美術、演劇、スポーツ、学術、観光、いずれも「参加者が同じ体験を共有する」ことが楽しく、心を豊かにしてくれます。この感覚は人類共通です。

ネット社会の到来は不幸中の幸いです。人と人は2m以内にいなくても交流することができます。離れていても一緒に体験を共有できます。自宅と職場で交流するのも、日本と韓国で交流するのも、ほとんど同じ感覚で実現できます。これは凄いことです。

文化は外部からの刺激を受けるたびに発展します。例年通りに実施できないイベントやプログラムを惜しみつつも、いま対面で何ができるか、ネットで何ができるか、何が人の心を豊かにできるかを一緒に考えていきましょう。皆さんのアイデアを教えてください。

2020年9月 在大韓民国日本国大使館公報文化院長 中條 一夫

 

 

中條公報文化院長略歴