重家俊範大使コラム「中学洞便り」- 福岡での日中韓首脳会議に思う

平成20年12月24日

在大韓民国日本国大使館 特命全権大使
重家俊範


12月13日(土曜日)に、福岡県太宰府で、単独開催としては初めての日韓中首脳会議が開催されました。
私も、福岡に出張しましたが、非常によい会談でした。三首脳の会議があった他、麻生総理は、李明博韓国大統領及び温家宝中国首相とそれぞれ二国間の会談をし、また別途李明博大統領と温家宝首相が会談しました。

首脳は、政治、金融・経済協力や防災協力についても合意、文書を出しました。麻生総理は今回会議を第一回日中韓サミットと命名しました。来年は中国が開催する予定です。

今回会議が非常に良かったと思う理由はいくつかあります。
第一に、議論が良く噛み合っていたということです。一日だけの会議でしたので、全体としてはそう長い時間があったわけではありませんが、三人の首脳は時間を気にせず自由に議論していました。三首脳が議論するには十分な時間がありました。より多くの首脳が出席する会議ではこうはいかないかもしれません。

また、九州国立博物館という場所も良かったと思います。
サミットの夕食会などが美術館や博物館で行われることは良くあります。玄関ロビーには大きな博多山笠の飾山が陳列されていましたが、三首脳がその前で取った写真は新聞を飾りました。九州国立博物館は韓国、中国などとの交流の歴史に特別の関心をもって活動している博物館でもあります。

更に、首脳が日帰りをしたということも、逆説的ではありますが、この会談の意義を一層深めたのではないかと思います。
李明博大統領と温家宝首相は夕食会の後直ちに空港へ行き帰国の途につきました。日帰り訪問だったことが、却って、三つの国がどれほどお互いに近いのかを示しています。三首脳のうち、福岡から一番近い所から来た参加者は韓国の李明博大統領でした。二番目は麻生総理、三番目は温家宝首相でした。欧州などで行われているような首脳外交が北東アジアでも可能なことを示したと思います。

日中韓サミット会議が、これから、アジア太平洋で重要なフォーラムになっていくのではないかと思いました。これら三国は、それぞれ立場、状況には違う面もありますが、いずれもこれからのアジア太平洋、とりわけ北東アジアの将来については、特別の役割を持っています。三国が相互発展に向けて協力を進める共通の利益は莫大です。この会議が大いに発展、地域の平和と繁栄に貢献していくことが期待されます。