長嶺大使新年御挨拶(2018)

謹んで新年のお慶びを申し上げます。皆様におかれましては,健やかに初春をお迎えのことと存じます。
駐韓国大使として着任してから早くも1年4か月が経過しました。
昨年は,一昨年末の釜山総領事館前に設置された慰安婦像への対応として私が一時帰国をするというところから始まりました。韓国においては,
大統領の弾劾を受けて,5月に繰り上げて大統領選挙が行われるというかつてない状況が生まれました。その後大統領選挙の結果,文在寅大統領の下に
新政権が発足し,両国関係も新たなスタートが切られたと言えましょう。両国間では,文在寅大統領就任後に首脳電話会談が行われて以降,首脳特使の
相互派遣や度重なる首脳・外相会談を通じ,ハイレベルで頻繁にコミュニケーションが取られました。
また,北朝鮮による度重なる核・ミサイルの挑発に対応するため,緊密な連携が強化されました。
日韓の経済関係に目を向けると,9月の日韓経済人会議や10月の経団連・全経連首脳懇談会を通じて,雇用問題や第4次産業革命,第3国での協業
など,経済分野における両国協力について継続して議論が行われました。
昨年は,韓国からの訪日客数が飛躍的に増加し,双方の訪客数の合計は過去最高を記録した一昨年を更に上回りました。そして,毎秋恒例となりました
「日韓交流おまつり」や,全羅南道で初開催された「順天JAPAN WEEK」をはじめとする数多くの交流行事が開催され,いずれも盛況を得ました。
このように文化交流や人的交流の分野では着実な進展も見られています。
私は,着任御挨拶で申し上げましたように,未来志向,相互信頼の下での新しい時代の日韓協力関係の深化のため,4つの目標を掲げています。
第一に,日韓関係を地域や世界の安定と繁栄に貢献するものとすべく,協力と連携を更に強化すること,第二に,文化・人的交流,地方交流,
スポーツ交流など,両国国民間の様々な交流を更に活性化すること,第三に,経済面での協力を強化すること,そして,第四に,韓国におられる
日本国民の皆様への支援をしっかりと行っていくこと,の4つの目標です。
これら4つの目標を今年も一層揺るぎなく実践して参ります。
特に今年は,平昌冬季オリンピック・パラリンピックが開催され,2020年の東京オリンピック・パラリンピックへと続く日韓のオリンピック・パラリ
ンピックのリレー開催のスタートとなる年です。本年は,日韓間の協力と交流を昨年以上に活発化し,日韓関係を着実に前進させていきたいと思います。
そのために,私をはじめ,日本大使館員一同,全力を尽くして参る所存です。引き続き,皆様の御指導,御協力を賜れば幸甚です。
本年が皆様にとって幸多き一年となることをお祈り申し上げ,新年の御挨拶と致します。
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