武藤大使着任挨拶

この度,駐大韓民国日本国大使として赴任しました武藤正敏です。日本大使として3年ぶりにソウルに赴任できたことに大きな喜びを感じております。
私が最初にソウルに赴任したのが1975年であり,今回で5回目の韓国勤務になります。その間,韓国は経済的に目を見張る大発展を遂げ,文化面でも世界の
一流国家となりました。日本と韓国の関係では,国民間の交流が活発となり良い隣人,良い友人の関係になりました。約35年,日韓関係に携わってきた私に
とって,これは非常に感慨深いものであります。
私は,日韓併合100年を迎える上での最後の大使であり,また新しい日韓関係の100年を迎える最初の大使でもあります。最後の大使としては,この機会に
改めて日韓の100年の歴史を振り返り,その重みを心で感じたいと思います。新しい100年の大使としては,日韓関係が将来どうあるべきかということを
よく考え,その基礎を作るべく努力したと思います。それはまさに日韓の共同作業であり,私の役割はその橋渡しであると思っています。
今年は韓国でG20サミット,日本でAPEC首脳会議といった国際会議が立て続けに開催されます。韓国は国際社会での役割を飛躍的に拡大し,これに伴っ
て,日本と韓国は国際社会において重要なパートナーとなっています。今後,日韓の間で対北朝鮮協力,G20,FTA,環境等といった分野での協力を一層
進めていきたいと思っています。そういった協力こそが,未来志向な日韓協力関係と言えるのではないでしょうか。
日韓友好の基礎は何と言ってもやはり,国民同士の交流にあると思います。今や日韓双方向で計464万人が両国間を往来するほどです。文化交流の面では,
今年で6回目となる「日韓交流おまつり」が,10月2日(土)と3日(日)の2日間,ソウル市庁前広場と清渓川周辺において開催されます。日韓の人々が
一つになって楽しむような毎年恒例の文化行事は世界には他にありません。多彩な行事が数多く行われますので,皆様も是非来て楽しんで頂きたいと思います。
このほか,青少年のワーキングホリデー制度の拡大など,交流の機会は多様化し,拡大しています。
韓国の皆様とは色々な機会にお目にかかり,種々の分野において交流を深め,将来の関係について忌憚のない意見交換をしながらさらに協力関係が深まること
を期待しています。皆様のご支援と御協力を御願いいたします。
2010年8月
在大韓民国日本国大使館 特命全権大使
武藤正敏
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