東京電力福島第一原発事故に関するQ&A


2021年4月  
在大韓民国日本国大使館  


 東京電力福島第一原子力発電所の原発事故後の現状について、正しい情報を知っていただくため、よく聞かれる質問とその答えをQ&A形式でまとめました。食品の安全と放射能の影響については、韓国語のパンフレットもありますので消費者庁のホームページblank(日本語・英語・韓国語版あり)を御覧ください。

 
 
東京電力福島第一原発ALPS処理水
 Q1 ALPS処理水を海洋に放出すれば、深刻な環境汚染が起こるのではないか。
 Q2 ALPS処理水には、通常炉の排水からは検出されない核種(セシウム、ストロンチウム等)や、ALPSでは除去できない炭素14が含まれるため、特別な扱いとすべきではないか。
 Q3 日本が、ALPS処理水を海洋に放出した場合、韓国付近の海域にも被害が及ぶのではないか
 Q4 日本は、ALPS処理水の処分方法に関して、韓国と、十分に意思の疎通を図ってこなかったのではないか
 Q5 韓国は、日本から海洋放出の状況について情報提供を得られるのか。
 Q6 海洋放出に際して、どのような環境モニタリングが実施されるのか。
 Q7 国際社会は海洋放出に反対しているのではないか。
 Q8 三重水素(トリチウム)とは何か
 
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた対応
 Q1 東京電力福島第一原発事故後の経過及び対策を教えてほしい。
 Q2 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業の状況が知りたい。
 Q3 東京電力福島第一原発事故後の発電所から汚染水が流出していて、海が汚染されているのではないか?
 
日本への渡航
 Q1 東京電力福島第一原発事故の影響で、日本への旅行は危険ではないか?
 Q2 空間線量率とは何か?
 Q3 在韓国日本大使館がホームページに掲載している空間線量率は、日本政府にとって都合の良い数値となる地点のデータに限定しているのではないか?
 Q4 日本国内において、放射性物質による健康被害の危険性がある区域はどこなのか?
 Q5 日本政府は、空間線量率等が低いから安全だというが、低い場所でのみ測定しているのではないか?
 Q6 空間線量率のデータは、大気中に現れる放射線のみ測定するものであるが、食品安全にも直結する土壌の安全性についてはどのように確かめているか?
 Q7 「東京電力福島第一原発事故後、放射性物質の影響による死亡者やがん患者の発生数は把握さえ不可能な状況」、「東京電力福島第一原発事故により1300人以上が死亡」、「福島県では、チェルノブイリ原発事故と同じように小児甲状腺がんの発生率が非常に高い」などという話を聞いたが、本当か?
 
食品の安全
 Q1 食品の安全のためにどのような取組を行っているのか?
 Q2 日本の食品で基準値を超えるものはなかったのか?
 Q3 国際機関は、日本の食品の安全性をどう評価しているのか?
 Q4 諸外国は日本の食品を輸入しているのか?
 Q5 日本から輸入された食品から人工の放射性核種が検出されたと聞いたが、やはり危険ではないか?
 Q6 韓国の日本産水産物等への輸入規制は、2019年4月にWTO上級委員会報告書でも認められたものであり、日本が韓国に輸入規制撤廃を求めるのは不適切ではないか?
 
もっと詳しく説明を読みたい人のために
 
 

 (回答)
1.ALPS処理水の海洋放出にあたっては、海洋汚染が生じることがないよう万全を期します。
2.まず、ALPS処理水は、海洋に放出する前に、トリチウム以外の放射性物質が環境排出基準を下回る濃度まで浄化処理を行います。再浄化した際に、ストロンチウム、セシウムなどの放射性物質は取り除かれることから、実際に放出される放射線物質の濃度が低減するだけではなく、トリチウム以外の放射性物質の総量も大幅に減少することとなります。その上で、ALPS等では除去できないトリチウムについては、排出基準を満たすように大幅に希釈した上で放出します。
3. また、関連する国際法や国際慣行を踏まえ、海洋環境に及ぼす潜在的な影響について評価するための更なる措置を適切に採るとともに、放出後にも、これまで実施してきた国際原子力機関(IAEA)との協力や海域モニタリングを継続的に実施し環境中の状況を把握するための措置を講じることとします。
4.実際に放出するトリチウムの年間の総量は、事故前の東京電力福島第一原発の放出管理値(年間22兆ベクレル)※1を下回る水準で実施し、定期的に見直すこととします。原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の手法を用いて放射線影響の評価を行った結果、タンクに貯蔵されているALPS処理水の処分を、年間22兆ベクレルのトリチウム放出量に沿って毎年継続したとしても、海洋放出の影響は、自然放射線による影響(2.1mSv/年)の10万分の1以下になります。
  ※1 原子力発電所ごとに設定された通常運転時の目安となる値(規制基準値を大幅に下回る値)。
5.さらに、これまで行っている放射線環境モニタリング等について、海洋放出の実施開始後も、継続的に実施し、国際原子力機関(IAEA)によるレビュー(確認・評価)も実施する予定です。

 

 (回答)
1.通常炉と事故炉の排水中の核種が異なることを懸念する声もあると承知していますが、日本を含む世界各国の規制基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に沿って、人体への放射性物質ごとの放射線の影響を勘案しつつ、その影響の合計値を年間1ミリシーベルト未満とすることを前提に定められています。したがって、規制基準を守る限り、人体への影響はないものと考えています。
2.ALPS処理水を環境中に放出する際には、トリチウム以外の放射性物質を、規制基準濃度を下回るまで浄化処理した上で、更にトリチウムについても規制基準を大幅に下回る水準となるよう、100倍以上に希釈することとしています。
3.また、貯蔵タンク内のALPS処理水に含まれる炭素14の量は、平均42.5ベクレル/リットル※1であり、国の規制基準である2,000ベクレル/リットルに対して概ね40分の1を下回っています。なお、炭素14も、自然界に存在する放射性物質であり、韓国の原発からも環境基準を順守しつつ放出されている※2と承知しています。
  ※1 最大値は、215ベクレル/リットル
  ※2 韓国水力原子力「原子力発電所周辺環境放射能調査及び評価報告書(2019年度)」

<参考>ALPS処理水と再処理施設の排水に含まれる放射性物質について
 ●ALPS処理水に含まれる核種は、以下の3種類。
  A)トリチウム(通常炉の排水にも存在)
  B)核燃料以外の中性子による放射化等により生じる核種(コバルト60など)。通常炉や再処理施設の排水にも存在。炭素14は、再処理工場や、韓国の月城原発の排水にも存在。
  C)核燃料が分裂して生じる核種(セシウム、ストロンチウム、ヨウ素など)。再処理施設の排水にも存在。なお、通常炉では極微量又は不検出。

 

 (回答)
1.ALPS処理水の海洋放出にあたっては、日本国外を含め、人の健康や環境に被害を生じさせるような措置は決していたしません。
2.ALPS処理水は、環境中に放出する前に、トリチウム以外の放射性物質が環境排出基準を下回る濃度まで浄化処理を行い、更に100倍以上に希釈することとしているため、十分に濃度が低い状態になります。
3.また、関連する国際法や国際慣行を踏まえ、海洋環境に及ぼす潜在的な影響について評価するための更なる措置を適切に採るとともに、放出後にも、これまで実施してきた国際原子力機関(IAEA)との協力や海域モニタリングを継続的に実施し環境中の状況を把握するための措置を講じることとします。
4.東京電力が、ALPS処理水を海洋に放出したと仮定してシミュレーションを行ったところ、発電所近傍、1.5km程度に限り放射能濃度の上昇が見られるものの、濃度が上昇する地点においても、WHO飲料水基準(10、000ベクレル/ℓ)と比べて十分に影響が小さいことが分かっています。
5.なお、2013年に福島第一原発から汚染水が流出した際には、韓国原子力安全技術院(KINS)は一般国民向けの解説ページ(https://www.kins.re.kr/nsic.do?menu_item=safety_focus/fukushimablank)において、韓国近海の放射線量を継続的に測定したうえで、「東太平洋方向に進行する日本の東北海域の海流の特性によって、国内海域には影響が微々たるもの」と評価していると承知しています。
6.また、福島地域沿岸を発する海流は、太平洋方面に向かっており、韓国海洋水産部が、韓国沿岸に到達するまでに10年近くかかることを指摘しています(https://www.mof.go.kr/html/UsMarineProducts.html#noneblank)。
7.韓国沿岸に到達する10年近くの間に、トリチウムは減衰※1し、さらに拡散・希釈効果により、韓国沿岸に影響を与えることはないと考えています。
  ※1 トリチウムの半減期は約12.3年

 

 (回答)
1.日本政府は、ALPS処理水やその取扱いの検討状況を含め、東電福島第一原発事故について、韓国の皆様に対し、韓国の報道機関を対象にした説明会の開催を始め、様々な機会を通じて説明してまいりました。

 (補足)日本政府が説明した機会についての具体事例
  ① 韓国の報道機関を対象にした記者説明会の開催(昨年11月20日、本年3月3・4日)
  ② 韓国で開催した東日本大震災10周年記念式典(本年3月11日)や展示会(同11日~18日)
  ③ 韓国の水産業団体など関係者への個別の説明
  ④ 在韓国日本大使館や日本政府のホームページ上での積極的な情報発信
  ⑤ 韓国のマスコミを福島第一原発等に招待し取材の機会を提供した日韓記者交流事業の実施
  ⑥ 東京における外交団向け説明会の開催
  ⑦ 福島第一原発の環境モニタリングに関する原則毎月1回の定例外交団通報の実施
  ⑧ 国際原子力機関(IAEA)や経済開発協力機構・原子力機関(OECD/NEA)を始めとする様々な国際会議での説明
2.特に、韓国政府とは、データの提供や意見交換など、頻繁に意思疎通を進めてきました。また、基本方針の発表についても、日本政府は、韓国政府と然るべくやりとりを行いました。これは、韓国との二国間関係の重要性に鑑み、本件について、これまで日韓両政府が互いに努力して築いてきた信頼関係に基づき実施したものです。
3.今後とも韓国政府との意思疎通を含め、透明性をもって、科学的根拠に基づく正確な情報の提供を続けていく考えです。

 

 (回答)
1.日本は韓国に対して、今後とも、透明性をもって、科学的根拠に基づく正確な情報提供を続けていきます。
2.具体的には、韓国政府や報道関係者に対し、処理水の処分状況の説明を継続するほか、月ごとの海洋放出の実施内容等を提供いたします。
3.また、IAEAと協力し、処理水処分のレビューミッション、海洋モニタリングレビュー等を実施して、国際社会から、日本の取組状況の検証を受けられるようにいたします。

 

 (回答)
1.日本政府及び東京電力が放出前及び放出後におけるモニタリングを拡充強化することが定められております。その際、
   (1)IAEAの協力を得て、分析機関間の相互比較を行うなどにより、分析能力の信頼性を確保すること
   (2)東京電力が実施するモニタリングのための試料採取、検査等に農林水産業者等が参加すること
   (3)海洋環境の専門家等による新たな会議を立ち上げ、海域モニタリングの実施状況について確認・助言を行うこと等 により、客観性・透明性を最大限高めることとしております。
2.今後、日本政府としては、ALPS処理水の海洋放出に際して、韓国の皆様の不安を払拭し、安心を追求するべく、透明性を持って、科学的根拠に基づく正確な情報の提供に努めてまいります。

 

 (回答)
1.処理水の海洋放出にあたっては、関係国や国際機関とも、しかるべく連携し、透明性をもって、科学的な根拠に基づく正確な情報の提供を続けてまいります。
2.IAEAは、原子力分野の専門的な国際機関であり、日本はIAEAから東京電力福島第一原発の廃炉に向けた日本の取組についてIAEA調査団によるレビューをこれまで4回受け入れるなど、日本政府はIAEAと緊密に連携しています。
3.昨年2月に公表されたALPS小委員会報告書についても、今回の基本方針決定前にIAEAのレビューを受け、昨年4月に公表された当該レビュー報告書では、海洋放出は、「日本及び世界中の稼働中の原子力発電所や核燃料サイクル施設で日常的に実施」されており、「技術的に実施可能」と示されています。

 

 (回答)
 三重水素( トリチウム;3H)は水素の同位体で、弱い放射線を放出する物質です。三重水素は、水の分子の一部として、雨水、海水、水道水など、自然界や我々の生活圏にも、元来広く存在しているものです。三重水素は、飲料水などを通じて私たちの体内にも取り込まれ、排泄され、自然界を循環しています。三重水素を含む水分子は、放射性があること等を除けば、通常の水分子と同じ性質を持つため、有機水銀やダイオキシンのように、特定の生物や臓器に濃縮されることはありません
 三重水素は、韓国を含む世界の原子力発電所などから、これまで40年間以上にわたって、運転基準を順守して海水や大気に排出されています。世界の原子力発電所近郊において、三重水素が原因と思われる周辺住民の健康への影響は確認されていません。なお、韓国水力原子力株式会社(韓国語blank)によれば、韓国では2018年に原子力発電所から海水や大気に年間約360兆ベクレルの三重水素を排出しており、東京電力福島第一原発に貯蓄されている量(約860兆ベクレル)に相当する三重水素を2~3年で排出していることになります。

世界の原子力発電所等からの三重水素年間排出量

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた対応

 
 

 (回答)
 東日本大震災が発生した当時、東京電力福島第一原子力発電所の1号機から6号機のうち、1号機から3号機は原子炉を「冷やす」機能が損なわれ、1号機・3号機の建物と、3号機からつながっていた4号機の建物が水素ガスによると思われる爆発により破損しましたが、現在は原子炉を水で冷やす仕組みが作り出され、原子炉は安定した状態で維持されています
 また、廃炉に向けて、使用済燃料の取り出し作業や溶けて固まった燃料(燃料デブリ)の取り出しに向けた調査等が安全最優先で慎重に進められています。さらに、海側には地下水を汲み上げる装置や鋼鉄製の遮水壁を設けており、海洋への汚染を防止しています。
 現在の発電所の状況を含む廃炉・汚染水対策の詳細については、経済産業省のホームページ(日本語blank英語blank)も併せて参考にしてください。

 

 (回答)
 東京電力福島第一原子力発電所では廃炉作業が行われており、現在、使用済燃料の取り出し作業や溶けて固まった燃料(燃料デブリ)の取り出しに向けた調査等が、安全最優先で慎重に進められているところです。格納容器の内部は、鋼鉄製の格納容器の壁、建屋内のコンクリートや鉛板などにより遮へいされています。安定状態は、引き続き維持されており、東京電力福島第一原子力発電所の敷地境界の放射線量に有意な変動はありません

 

 (回答)
 燃料デブリを冷やした水は、放射性物質が含まれた状態で、建屋内にたまっています。また、建屋内の汚染水が建屋外部へ漏洩しないよう、建屋内の水位は常に周辺の地下水位より低く管理されているとともに、鋼鉄製の遮水壁の設置により、放射性物質を含む地下水が海へ流出するのを防止しています。一連の対策の結果、周辺海域の放射性物質濃度は低く、安定しています。国際原子力機関(IAEA)からも、「世界保健機関(WHO)の飲料水ガイドラインの範囲内にあり、公衆の安全は確保されている」との評価を受けています。

汚染水の発生を防ぐ仕組み

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた対応

 
 

 (回答)
 日本政府は、東京電力福島第一原発の事故以降、継続的に空間線量率のモニタリングを実施しています。日本国内各地の空間線量率は、生活する上で何ら問題のないレベルであり、海外の主要都市と比較しても同等の水準です
 東京電力福島第一原発に距離が近く立入りが制限されている区域を除き、福島県を含め、日本全国における東京電力福島第一原発事故に起因する放射線量は、健康への影響が懸念される水準を大幅に下回っています
 在韓国日本大使館のホームページ(日本語blank韓国語blank)では、福島県の県庁所在地である福島市と、いわき市、更に東京都とソウル市の空間線量率を、大使館休館日等を除き、毎日更新しています。

日本への渡航

 

 (回答)
 空間線量率とは、大気等の空間中から測定された放射線量をいい、1時間当たりのマイクロシーベルトで示されます。空間線量率は、モニタリングポストと呼ばれる装置を用いて、継続的に同一地点で測定されています。モニタリングポストの検出器は、一般的な成人の全身の評価に用いるため、通常地上1mくらいの高さに設置され、空気中に漂っている放射性物質からのγ線、大地に落ちた放射性物質からのγ線を検出しています。なお、計測されるのは事故由来の放射線量のみならず、自然由来の放射性物質からのγ線や宇宙からのγ線も含まれています。なお、空間線量率は、主に人体の外部被曝線量の評価のため一般的に活用されているものであり、人体の内部への取込みについては、食品の検査等を通じて健康に影響が及ぼすことがないよう、対策を講じています。

 

 (回答)
 在韓国日本大使館のホームページ(日本語韓国語)では、福島県県庁所在地である福島市、東京電力福島第一原子力発電所近辺の自治体のうち最も人口が多いいわき市、さらに、東京都、ソウル市の空間線量率を掲載しています
 日本国内のその他の地点の空間線量率については、原子力規制委員会のホームページ(日本語blank英語blank)で閲覧することができます。

 

 (回答)
 東京電力福島第一原発事故の発生に伴い、日本政府は現在、平成23年時点で年間積算線量が50ミリシーベルト超(注)の区域の境界に、バリケードを設置する等して当該区域への立入りを制限しており、また、当該区域につながる道路等に標識を置いて誤って立ち入ることがないようにしています。
 (注)100ミリシーベルト以下の被ばく線量では、被ばくによる発がんリスクは生活環境中の他の要因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しいということが、国際放射線防護委員会(ICRP)を始めとする国際的な認識となっています。

福島県の立入り制限区域

日本への渡航

 

 (回答)
 モニタリングポストによる定点測定や、航空機による広域測定のほか、測定員が、生活環境を歩き測定する歩行サーベイや、自動車で測定する走行サーベイ等を組み合わせて、きめ細かな調査をしています。その結果は、原子力規制委員会のホームページ(日本語blank英語blank)で公開しています。

 

 (回答)
 農地土壌中の放射性物質による汚染の状況については、農林水産省が、平成23年8月以降、毎年、福島県における農地土壌中の放射性セシウム分布図を作成し、農林水産省のホームページ日本語blankで公開しています。この農地土壌濃度分布図は、農作物中の放射性物質の低減対策などに活用されています。
 今後も、農地土壌の放射性セシウム濃度の推移を把握するため、積極的に調査を進めていきます。

 

 (回答)
 福島県が実施した県民健康調査「基本調査」(日本語blank)の結果によれば、東京電力福島第一原発事故による外部被ばく線量は、「統計的有意差をもって確認できるほどの健康影響が認められるレベルではない」とされています。また、県民健康調査「甲状腺検査」の結果、これまでに発見された甲状腺がんについても、現時点では放射線の影響とは考えにくいという趣旨の評価がされています。
 また、環境省で実施している福島県内外での疾病罹患動向に関する調査研究の結果、がん全体の罹患率、死亡率は、事故の前後においてこれまでのところ大きな変化は認められていません
 さらに、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)では、2013年報告書及び2016年白書にて「線量が大幅に低いため、福島県でチェルノブイリ原発事故の時のように多数の放射線誘発性甲状腺がんが発生するというように考える必要はない(2013年報告書)」、「福島県の県民健康調査で既に観察されていた相当量の症例は、放射線の影響ではなく、集団検診の感度による可能性が高い(2016年白書:2013年報告書の要約)」などと評価されています。また、2016年白書においては、「2013 年報告書の当該分野における知見は引き続き有効であり、それ以降に発表された新規情報の影響をほとんど受けていない」と評価されています。

 

 食品の安全と放射能の影響については、韓国語のパンフレットもありますので消費者庁のホームページ(日本語・英語・韓国語版あり)を御覧ください。

 

 (回答)
 東京電力福島第一原発の事故後、放射性物質の影響が確認された地域については、農地の除染、放射性物質の農畜産物への移行・吸収を抑える対策、肥料や土壌改良資材・培土の管理等が行われています。また、出荷前の検査等で、日本国内の放射性物質の基準値を超過したものは、日本国内及び海外には流通しません。さらに、基準値の超過する食品が地域的な広がりがあると考えられた場合には「出荷制限」が、著しく高濃度の放射性物質が検出された場合には「摂取制限」が指示されます。これらの対策により、日本産食品の安全性は確保されています。
 また、食品中の放射性物質の基準値は、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が設置した国際食品規格委員会(Codex委員会)が国際基準としてのガイドラインレベルを設定し、また、米国・EUを含む各国が国内の基準値を設定しています。これらの基準は、食品を摂取することによる預託実効線量(いわゆる内部被曝)を一定水準以下に抑えるために設定されています。Codex委員会、日本、EU等の場合は1 mSv/年ですが、これは、国際放射線防護委員会(ICRP)がそれ以上放射線防護対策を講じても有意な線量の低減は達成できないとしている値でもあります。これに基づき、それぞれの国・地域で流通する食品の汚染率等を想定した上で、最終的に放射性物質の基準値を設定しています。

 

 (回答)
 現在、日本国内では、流通を目的とした食品だけでなく、既に出荷制限措置が講じられている食品も含め、放射性セシウムのモニタリング検査を実施しております。その結果によれば、過去5年以上、栽培・飼養管理が可能な農林水産物・食品で基準値を上回るものはほとんどありません。栽培・飼養管理ができない野生のキノコ、山菜、野生の鳥獣肉、水産物の中でも淡水魚などは、少数ながら日本国内の基準値を上回る検体がありますが、こうした食品は既に出荷制限措置が講じられているため、日本国内で流通することはなく、輸出されることもありません。

 

 (回答)
 日本が行っている適切な検査・管理措置によって日本産食品の安全性が確保されていることは、国際機関からも評価されています。国連食糧農業機関(FAO)と国際原子力機関(IAEA)の合同チームは、2019年7月に、「モニタリング方法や食品の放射性物質汚染に関する問題への対応は適切であり、フードサプライチェーンは関係当局により、効果的にコントロールされているものと理解している。」と報告され、IAEAのホームページ(英語blank)に公開されています。

 

 (回答)
 東京電力福島第一原発事故に起因する何らかの輸入規制を維持しているのは、世界中で20か国・地域のみであり、またそのほとんどは輸入停止措置ではなく、限定的な地域・品目について証明書添付等を求めることにより輸入を認めています。事故後に輸入規制を導入した国・地域のうち、大半(54か国・地域中34か国・地域)が現在までに輸入規制を撤廃し、ほぼ全ての国・地域が順次緩和を行っています。日本が行っている科学的根拠に基づく適切な検査・管理措置によって日本産食品の安全性が確保されていることは、国際的に理解されてきています
 そうした中、韓国では輸入規制として、大きく3つの措置が講じられています。
 ① 8県(注)の全ての水産物及び過去に出荷制限措置がとられた地域・品目等について輸入禁止
 (注)青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬及び千葉
 ②指定された地域・品目について放射性物質検査証明書や産地証明書の要求
 ③日本産食品に対する韓国側での検査の実施と追加的な証明書の要求※
 ※日本産食品に対する韓国側での検査の実施により放射性セシウム又は放射性ヨウ素が微量でも検出された場合(>0.5 Bq/kg)には、ストロンチウムやプルトニウム等17核種の放射性物質検査証明書を要求されます。
 上記の韓国による日本産食品に対する輸入規制措置は、科学的根拠に基づくものではなく、日本政府はこうした輸入規制措置を早急に撤廃することを求めています。

 

 (回答)
 天然に存在する放射性核種(例:40K、3H(三重水素、トリチウム)、14C等※)に対し、核実験や原子力発電などに起因する放射性核種は一般的に人工放射性核種と呼ばれ、例としては134Cs、137Cs、90Sr、106Ru等が挙げられます。天然の放射性核種も様々な食品に含まれ、一般の人々は内部被曝をしており、放射性核種が天然か人工かという分類自体は、食品中の放射性物質の健康への影響には関係がありません。
 ※3H(三重水素、トリチウム)や14Cについては、大気上層において宇宙からの放射線と大気を構成している窒素や酸素との核反応により常に生成されているため、天然放射性核種に分類されることが多い。
 食品中の放射性物質に係る安全性確保のため、Codex委員会が国際基準としてのガイドラインレベルを設定し、また、米国・EUを含む各国が国内の基準値を設定しています。これらの基準は、食品を摂取することによる預託実効線量(いわゆる内部被曝)を一定水準以下(Codex委員会、日本、EU等の場合、1 mSv/年未満。)に抑えるために設定されています。これに基づき、それぞれの国・地域で流通する食品の汚染率等を想定した上で、最終的に放射性物質の基準値を設定しています。

食品の安全

 食品から人工放射性核種が検出されたとしても、上記基準値の範囲内であれば、科学的には安全であると評価されます。実際、1960年代までの大気圏内核実験の影響により、世界中に人工放射性核種が拡散し、その汚染が生じており(グローバルフォールアウト)、日本以外の国から韓国に輸入された食品からも微量の人工放射性核種は検出されています。しかし、食品中の放射性核種が上記基準の範囲内であれば、世界中で問題なく流通・消費されています。日本から韓国に輸入された食品のうち、2015年以降、韓国の基準を超過したものはなく、その安全性が確認されています。

 

 (回答)
 WTO上級委員会に先立つパネル(第一審)の審査では、日本の食品安全管理に係る取組により、日本産食品中のセシウム濃度が、国際的な基準(1年間当たりの預託実効線量を1mSv(ミリシーベルト)/年と設定。詳細はQ16参照。)を踏まえて韓国が設定した数値基準値(日本が設定する基準値と同様に、食品1kg当たりの放射性セシウム濃度の基準値を100Bq(ベクレル)/kgと設定。Q16及びQ20参照。)を下回ることを日本が立証した事実認定されました。その上で、韓国の輸入規制措置は、「必要以上に貿易制限的」であり、「恣意的又は不当な差別」に当たり、WTO違反であると認定されました
 韓国は、この第一審の判断を不服として上級委員会(最終審)に申立てを行いました。上級委員会は、法的分析が不十分であるとして、パネルの判断を取り消したものの、韓国の輸入規制措置のWTO協定適合法性については明確な判断をしませんでした。したがって、日本産食品中の安全性に関するパネルの事実認定はそのまま確定しています
 この上級委員会の判断については、米国から遺憾の意が表明され、日本産水産物が安全でないと結論付けることは不適切である旨の立場表明がなされたほか、10を上回る加盟国が、日本の立場や問題意識に対する支持・理解を表明しています。